◇ 陸 生 動 物 ( 哺乳類 鳥類 爬虫類・両生類 昆虫類 陸産貝類 土壌動物 その他 )

 
   ◇ 植 物 ( 植物相 植生 土壌 その他 )

 
   ◇ 水 生 生 物 ( 魚類 底生動物  プランクトン・付着藻類  その他 )

 
   ◇生物モニタリング ( 追跡調査 ) 

 
   ※上の項目をクリックしてください。調査方法などを解説しています。


 


◇生態系および特定動植物の個体群、群集の保全計画 

◇自然環境の復元・創造にかかる整備・管理計画 ( ビオトープ計画 )

◇基本計画 ( 環境基本計画など ) の自然環境分野の調査・計画

◇自然環境をテーマとした学習プログラムや市民参加による身近な自然調査などの企画

 ◇自然環境に関する啓発冊子などの作成
    ( 地域の自然を紹介する冊子、自然観察マニュアルなど )

◇地域別生物リスト作成、地方版レッドデータブック作成

   


哺 乳 類

アナグマ
 
キクガシラコウモリ

アカネズミ 
 
キツネ
 
  哺乳類は多くの種が夜行性であり、敏感であることなど、その習性から生息状況を直接観察する事が容易ではありません。現地調査においては足跡、糞をはじめ様々な生息の痕跡(フィールドサイン)を探索することで、生息種を特定し、その活動状況を推察します。その補足として、自動撮影装置によって個体の撮影を試みる場合もあります。また、地元住民の方からの聞き取り調査も重要な手段です。
 小型哺乳類は、シャーマントラップ(ネズミ類)、モールトラップ(モグラ類)、ピットフォールトラップ(食虫類)など、各種の罠(トラップ)を用いた捕獲調査を行います。捕獲に際しては、都道府県の鳥獣捕獲許可を申請します。
 

鳥  類

ノスリ

ハシビロガモ

ブッポウソウ
 
サンコウチョウ
 
ホオアカ
 

  昼行性の種類が多く、美しい羽毛をまとった鳥類は、観察や識別がしやすく、多くの人に親しまれています。しかし移動能力が高いことから、季節に応じてすんでいる種類や生態が変化するため、ある地域にすむ種類をリストアップするには、適切な調査時期の設定が必要です。
 時期に応じた鳥類の変化を調べるには、、所定のコースを歩き、その間に出現した鳥の種別・個体数等を記録する方法(ラインセンサス)を用います。数が少ない猛禽類の調査では、複数の地点で長時間の定点観察を実施します。また、夜間に活動する鳥類については、ICレコーダーで鳴き声を録音したり、鳴き声を再生して反応を見る手法(コールバック)などの方法があります。このほか、繁殖状況の調査など、目的に応じた各種の方法で調査を行います。
 

爬 虫 類 ・ 両 生 類

モリアオガエルの卵

モリアオガエル

カスミサンショウウオ卵のう

ミシシッピアカミミガメ

ツチガエル

タカチホヘビ
 
  鳴き声がにぎやかなカエル類をはじめ、よく目立つ種類は普通に見つかりますが、希少種の多くは、夜行性や地中、渓流にすむなど、生息していても発見が困難なものです。また、これといって有効な捕獲や誘引などの方法もありません。こうした種の生息を確認するためには、生態に応じた適切な時期に最適な方法で探索することが必要です。
 成体の確認が困難なサンショウウオ類では、特定の時期に卵や幼生を探索します。また、希少なカエル類の生息状況を把握するには、夜間踏査による鳴き声調査も行います。ヘビの脱皮殻も、有力な生息情報になります。
 

昆 虫 類 ・ ク モ 類

ハヤチネフキバッタ

キタアカシジミ

ルリイトトンボ

ヒラズゲンセイ

ケンランアリノスアブ 
 
イソコモリグモ

 昆虫類・クモ類は種類がきわめて多く、さまざまな場所に生息しています。地域に応じて、また地形や植生に応じて特有の昆虫類がみられるため、環境指標としても有用です。その一方で分類や生態の研究が進んでいないものも多く、正確なデータを得ることや、その分析が特に難しいグループです。
 種類や生態が多様であるだけに、調査方法も対象とする各グループの生態的特徴や出現期を十分に考慮して、いろいろな方法を併用する必要があります。一般には、捕虫網などを用いて手で採集する方法(任意採集法)や餌や灯火によって誘引する方法(ベイトトラップ・ライトトラップ法)などを用います。
 採集した昆虫類は、室内で検鏡により同定します。展示用の標本作製も行っています。
 
陸 産 貝 類

イブキクロイワマイマイ

ナチマイマイ

ヤマクルマガイ

ナガオカモノアラガイ
 
 陸産貝類は陸上にすむ巻貝類です。カタツムリ(大型のマイマイ類)はおなじみですが、殻の大きさが1cm以下の小型種も多く含まれます。移動性が低いことから、各地に多くの固有種が知られています。
 現地調査では、樹上や朽木の下、崖や石垣など、いそうな環境を目視で探索します。微小な種類は落ち葉や土を持ち帰り、室内でソーティング(分別)して探します。
 陸産貝類には分類が難しいグループも多く、同定には採集して成貝になるまで飼育したり、体内の構造を確認する必要があります。
 
土 壌 動 物

ダニの一種

ワラジムシの一種
 
 土壌中には昆虫類をはじめ、クモ・ダニ類、多足類(ムカデ・ヤスデ)、陸産貝類、ミミズ類など実にさまざまな小動物が生息しており、環境を反映する指標となります。しかし、種構成が非常に多様なことや、微少なものが多いことから分析はなかなか困難です。
 調査方法は土壌の中から直接動物を採集するハンドソーティング法や、一定量の土壌を採取して特殊な装置で動物を抽出する方法(ベルレーゼ法)などがあります。
 


 植物は有機物の第一次生産者として、また地表を被う植被として、環境の構成要素の中でも特に重要なものです。植物調査は通常、植物群落を対象とした植生調査と、個々の種を対象とした植物相(フローラ)の調査に区分されます。
植 物 相

カキツバタ

ヤマジノホトトギス

イワザクラ

ミツバオウレン
 現地に生育する植物をリストアップするのが植物相(フローラ)調査です。一般には維管束植物(シダ植物、種子植物)を対象としています。
 
植物は地理条件、気候、地形、地質、人為的干渉などによって、生息する種の傾向が異なります。また、希少な種ほど特定の環境に依存する場合が多く、注意を要します。時間が限られる野外調査では、現地の環境、場所を踏まえて、重点的に調査するべき時季、環境を見定めることが要求されます。
 
植  生

ブナ林

ススキ草地

法面緑化の達成度

河畔林の遷移・撹乱
 
 植生は、生えている植物のまとまりを面としてとらえたものです。構成種の組成による分類を一般化した方法を、植物社会学的手法といい、環境省が作成する植生図などで、もっとも普通に用いられています。植生の平面的な分布状態を示した現存植生図は、GISの普及により、生物生息の基盤となる環境構成要素として、生態系の解析や評価において重要な役割を担っています。
 また、植生調査の応用として、法面緑化の達成度を評価したり、毎木調査結果を基に算出した樹木生長量の評価など、植生環境の定量化による変化の把握が可能となります。
 


魚  類

シロヒレタビラ

ナガレホトケドジョウ
 魚類は主に捕獲によって生息種を確認します。調査地の規則や漁業権にかかる規制を確認した上で、たも網をはじめ、投網、もんどり、刺網、はえ縄などの各種漁具を用います。種類によっては海や湖沼と川を行き来するものがあり、調査時期や調査場所に工夫が必要です。
 
 
底 生 動 物
 
カイビル

マツカサガイ
 底生動物は、水底で生活する水生昆虫や貝類、エビ、カニ、その他多くの分類群にまたがる無脊椎動物の総称です。河川や湖沼の底生動物は、長期的な水環境の変化を反映する生物指標としても重要です。
 主要な生息種を調べる定性採集には主に目の細かいタモ網を用いますが、生息密度を把握する場合は方形枠が付いたサーバーネットで定量採集を行います。また、深い水域では船上から採泥器を投下して底泥ごと採集します。
 底生動物の分類は難しく、持ち帰った標本を検鏡して同定します。
 
プ ラ ン ク ト ン ・ 付 着 生 物

カンテンコケムシ
 水中に浮遊している動・植物プランクトンや“水あか”として水底の岩石などの表面に生活する付着生物は、底生動物と同様、水中の生態系の中で重要な地位を占めています。
 プランクトンには専用のプランクトンネットを用い、付着藻類は水中の石の一定面積をブラシでこすって採集します。
 持ち帰ったサンプルは検鏡して同定します。
 






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